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前田義昭という名の写真人の独白

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スミオのひとりごと.123 No.183    

ひとのきもち

 エッフェル塔が出来た時のこと。
 建設に反対していた文豪モーパッサンは忌々しいエッフェル塔を見たくないために、その中のレストランに頻繁に通ったらしい。たしかにそこはエッフェル塔を見なくてすむ唯一の場所だ。なかなかウイットに富んだ、パリジャンらしい頑固さと愛嬌のある逸話につい頬がゆるんでしまう。
 ひるがえって日本の富士山はどうだ。世界遺産になったらさらに登山者が増え、入山料を取るとか取らないとかこのところかまびすしい。私見では富士山は眺めてこその山だと思う。富士山に登ってしまうと富士山は見えない。頂上でのご来光を死ぬまでにはせめて一度は見ておきたい、とボクは思わない。しかし、ひとはそれ見たさに押しかける。かつての“蟻の熊野詣で”の現代版、“蟻の富士詣で”を呈しているのだ。
 もう一度いうが富士山は眺めてこそ美しい。遠くから見る富士山に、バスやその他の車両、山小屋などの建物は映らない。ところが間近に見るとそれら人工物にあふれている。日本には、他に山はいやというほどある。登りたければ他の山に登ればいい。富士山だけは人工物を排除して、いつまでも霊峰富士であってほしいとボクは思う。
 江戸時代のひとが今の富士山の状況を知ったらなんと思うだろうか。弾丸登山とやらで登りたくなるだろうか。

2013.8.16








 
by y-lu | 2013-08-16 17:11 | 日常雑感 | Comments(0)

スミオのひとりごと.122 No.182    

オリンパスペンD
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 現在の半ちゃんカメラで突出して出番が多いのはこの機種、オリンパペンDです。
 ハーフはどのメーカーでもだいたい半世紀も前のもの。使っているうちに不都合がでてくるのはやむを得ません。ですからできるだけ一機種だけを酷使せず、いろいろな機種を使い回しています。このへんは野球のピッチャーのローテーションと同じです。しかし、不安定な機種を使って失敗するとがっかりしてしまいます。せっかく撮影したものがパーになるほどつらいものはありません。時々あるので疲労感も数倍に達します。
 そんななかで今一番安定感があるのが、オリンパスペンDです。露出計の受光素材がセレンですから、電池いらずで使い勝手のよいカメラです。これがだめになってもEEではありませんので、通常のマニュアル撮影ができます。カン露出ですが、ボクはモノクロ専門ですのでほとんど問題はありません。なまじっか露出計をもちだすと、狂っていたりしてかえって失敗することがあります。露出だけなら、自家現像なので微妙な調整をすれば多少はカバーできますが。
 オリンパスの、この角張ったシャッター・レリーズで押した感触が良くて心地いいのです。もちろんズイコーレンズの仕上がりには満足しています。

2013.8.14
by y-lu | 2013-08-14 06:57 | 半ちゃん(ハーフ)カメラ | Comments(0)

スミオのひとりごと.121 No.181    

キヤノンⅥL、キヤノン28㎜F2.8
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 このカメラ、キヤノンⅥLは私見ですが日本のレンジファインダー・カメラの最高峰と評価しています。
 ひとはニコンSPが一番だといいます。ボクはニコンのレンジファインダーはS2しか使ったことがありません。フラッグシップ機のSPやS3、S4を使わずしていささか僭越かもしれませんが、それでもⅥLが日本で一番だと思っています。
 デザイン面でいえば、たしかにニコンの方に軍配が上がるのを否定しません。コンタックスのデザインを踏襲していますが、むしろこちらの方が垢抜けて元祖よりも洗練されています。ただSPから、頭文字のNに特徴がある個性的な書体が消えてしまったのは、はなはだ残念です。S2と同じ書体がつかわれていたら、さらにデザインが映えていたことでしょう。
 ボクがⅥLを評価するのはその機能にあります。レンジファインダーの生命ともいえるファインダーの二重像が、非常にくっきりと合わせやすいのです。このくっきり感はライカM3と遜色がないくらいです。また、三種の変倍ファインダーを備えていることが素晴らしいのです。パララックスのある50㎜と100㎜のフレーム、全視野が35㎜の実像ファインダー、さらに望遠レンズ時や精度の高いピント合わせに威力を発揮するマグニファイアー。これらがプリズムの回転で簡単に切り替えられます。(切り替えるギアが携帯時に動く場合があるのが難点) 
 さらにライカでさえもちえない特長があります。外付けファインダーを装着した際、アクセサリー・シューに付く連動ピンでビュー・ファインダーのパララックスが自動的に補正されることです。これはキヤノンだけの機能でいちいち合わせる煩わしさから開放されます。
 逆にニコンで不満なのは、S2、S3などの視野フレームにパララックス機能がありません。コニカC35などの大衆機でさえ付いているのに、高級機のニコンについていないなんて今更ながら考えられないことです。
 更にはキヤノンはライカLマウントを採用しているので、交換レンズが非常に多様であることです。自社のキヤノンレンズはもとより、ライツのレンズをはじめ国内外の豊富なLマウントレンズが使えます。勿論Lマウントを採用している他社のボディもこれは同様ですが。その点、ニコンのSマウントは、自社のSマウントレンズに本家コンタックスのレンズ、ソ連のコンタックスコピー・レンズ、あるいは後発のコシナ社のレンズと限られています。それも他社のものは実質的に使えるのは被写界深度の深い広角のみです。
 キヤノンにも弱点はあります。金属のシャッター幕にしわがつきやすいことと、フレームが虫食い状態になる腐食がおこりやすいことです。そして最大の欠陥は次から次へとモデルチェンジが多すぎたことです。キヤノンも4sbなどのバルナック・タイプからⅥL、ⅥT(巻上げがレバーからトリガーに変更)、Pを出していたらもっと人気が出ていたはずです。また、“ニコンはプロでキヤノンはアマチュア”と色分けされたこともキヤノンにとっては不幸でした。
 しかし、ボクは以上の理由でキヤノンⅥL(ⅥT)を最上の国産レンジファインダー・カメラと評価しています。これを読んで、いややはりニコンだという人も多いと思います。ネットなどを見ていますと、新品同様の黒塗りニコンを誇らし気に掲げている人もいます。しかし、あまり日常的に使用しているようには見えないのです。それはそれで一向に構わないのですが、あくまでもボクの評価は写真機、写真を撮る道具としての機能という一点においてです。とはいってもⅥLはデザインも完成されていて、機能とルックスを兼ね備えた逸品だといえます。

 写真のレンズはキヤノンLマウント28㎜F2.8です。とてもコンパクトでいいレンズです。このレンズの純正フードはもともとないようでしたので、50㎜のものをけずって自作しました。ボクが一番評価する国産の35㎜レンズは、キヤノン35㎜F2です。一般的にはあまり人気はありませんが、もう三十年以上愛用していて、そのシャープな解像力はとても信頼しています。

2013.8.9









 
by y-lu | 2013-08-09 15:00 | カメラ全般 | Comments(0)

スミオのひとりごと.120 No.180    

ローライコード
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 昔はローライのカメラなんてとても手が出るものではありませんでした。
 ローライフレックスの廉価版であるローライコードであってもです。同じようにライカもそうでした。しかし、世のデジタル化の恩恵を受けてフィルム・カメラがことごとく安値になり手に入れ易くなりました。ローライやライカも例外ではありません。
 このローライコード(Rolleicord IV)も完全なコンディションではなかったものの、ネットオークションで一万円でおつりがくる値段でした。日本の優秀な二眼レフであるミノルタオートコードは持っていましたがスローシャッターが不調になり、とりあえずもう一台二眼レフを確保しておきたいと思っていました。
 相当ボロボロの個体ではありましたが一か八か落札しました。送られてきた時は、果たしてつかえるかと不安でした。しかし、シャッターは全速切れました。レンズをはじめ各部の清掃をほどこして何とか使えるようになっています。
 ミノルタオートコードよりもひと回り小さく機動性があって使いやすいカメラです。ファインダーが少々暗いので見ずらく、その点ではミノルタの方が明るいです。二眼レフはファインダーの像がきれいなので、これを見ているだけでも楽しめます。そんな時子供の頃、実際には写らないオモチャのカメラで、磨りガラスに映る映像を見て楽しんだことを想いだすのです。
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2013.8.7
by y-lu | 2013-08-07 16:08 | カメラ全般 | Comments(0)