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前田義昭という名の写真人の独白

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スミオのひとりごと.28 No.89

これはいい
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 前回、初めてカメラを取り上げましたが、ついでにもう一度。
 オリンパスペン-S(1960年発売時8800円)というカメラです。コンパクト・カメラでは少し異彩を放っていて、いわゆるバカチョン風ですがそうではないのです。露出はマニュアルです。つまり、シャッター・スピード、距離、絞りを自分で設定せねばなりません。距離合わせは距離計がついていないので目測です。その後、シャッターを押せば写るEEタイプの機種も発売されましたが、初代オリンパスペンとペン-S、ペン-Wだけが露出計を内蔵していない完全マニュアルタイプで中古市場でも人気があるのです。
 そして、もっとも特徴的なところはハーフ判であることです。つまり通常の35㎜フルサイズの半分の画面です。半分だから倍の72カット(36枚撮り)も撮れます。当たり前ですが、1本で2本分のカット数を撮れることになるわけです。ハーフ判は以前別の機種で一、二回撮りましたが全部撮りきるのはけっこう大変です。そんなこともあり、レンズ交換のできないこの分野のカメラにはあまり関心がなかったので、今回使うまで興味の対象外になっていました。
 しかし、これはけっこう気に入ってしまいました。小さくても自己主張しているのをひしひしと感じます。人格と同じような品格があるからです。モノにこのようなエスプリが感じられるのはそうはありません。それというのも、オリンパスの設計者である米谷美久氏の、類い稀な才能がそそぎこまれているからこそ品格を醸し出しているのです。
 開発のコンセプトは、ライカなどの本格カメラのサブカメラとしての位置付けだったらしいのですが、“山椒は小粒でぴりりと辛い”のことわざどおりその域を脱して独自の個性を放っています。洗練された風貌は当時の工業デザインの粋を感じさせます。このように本当にいいものは、いくら年代を経ても評価が高まりこそすれ低くなることはありません。
 それに較べて、カメラに詳しい写真家がPR役をつとめていた某社の高級コンパクト・カメラはボクは評価しません。故障は多いし、オートだから即応性があるのかと思ったらこれがまったくだめで、海外などで列車から一瞬の車窓風景をとらえようとしても機能しません。むしろ、従来のマニュアルカメラの方が対応能力があるのを実感しました。電池が切れたらお手上げになることも大きな弱点です。今ではこのカメラは故障したままホコリをかぶっています。この手のカメラは今後使うことはないでしょう。
 これはいま全盛のデジタルカメラも同様です。充電を繰り返すうちに電池がどんどん劣化していくのにはあきれてしまいました。ボクは携帯電話を持っていないので充電するという習慣がなかったのです。しかしながら、パソコンに使う写真はこれでないとだめなので仕方なく使っているといったところです。とにかく電池を使うキカイはだめです。時計でもクォーツはだめで機械式の方が安心できます。
 
2011.2.28
by y-lu | 2011-02-26 11:31 | 半ちゃん(ハーフ)カメラ | Comments(0)

スミオのひとりごと.27 No.88

カメラのこと
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 たまたま拾うネットのブログを見ていると、とにかくカメラを取り上げたものが多いですね。
 それぞれ思い入れをこめたこだわりの文章が多く、ついつい読んでしまい、マニアの博学ぶりには本当に感心してしまいます。
 カメラといってもここで取り上げているのは、フィルムカメラのことです。わざわざそのようにことわらなければならないのは寂しい限りです。クラシックカメラといういわれ方もされているようですが、ボクの愛機はまだ現役バリバリなので、過去の遺物のような呼び名には非常に抵抗感があります。
 電池がきれるとお手上げのデジタルカメラは、カメラであってカメラではないというのが事実ではないでしょうか。デジタルが普及したことも一因ですが、中古市場のフィルムカメラはとても安くなっています。若年の頃は一生持てないかと思っていたライカなど今では、若い娘の小遣いでも気軽に買える時代です。
 昔大阪でデザイナーをしていた頃、当時のクライアントで宣伝部の人が事務所に来て、ライカの自慢話をするのを横でよく聞いていました。ネックストラップを付けるアイレットに傷がつくのでリングを付けないとか、カビ防止のため桐の箱にいれて保管するとか、それはもう写真機ではなくて骨董品の様相を呈していました。ライカを持つ人はそういう感性の人がたしかに多いのです。
 初めて買った中古のライカM3は、もう35年くらい前になります。へこみや細かい傷のあるボディに、これまたレンズが傷だらけのズマリット50㍉F1.5がついていました。そんな程度のライカしか買えなかったのですが、それでも10万円以上しました。その店で一番安いライカでした。清水の舞台から飛び降りたつもりで買いましたが、今でも使っています。使い勝手はM型のほうがいいのですが、カタチはやはりバルナック型の方が如何にもライカらしくていいです。写真のバルナック・ライカⅢFは1年くらい前に手に入れました。フィルムの装填は面倒ですが、見ているだけで惚れ惚れとします。これがライカなんですね。 
 ボクがライカを持っているのを見かけて、見知らぬ年配の人が話かけてきます。「ライカは高いでしょう」と。「中古のライカなんてそんなことはありませんよ」と応えると、皆一様に驚きます。ライカは高いと頭の中にたたき込まれているんですね。
 若い娘がアクセサリー代わりに肩や首からぶらさげているくらいです。たしかにつまらないアクセサリーを着けているよりは、ライカをぶらさげている方がはるかに、人の目を惹き一目置かれます。
 悲しいことにM8からデジタル仕様になり、最新のM9も同様です。世の中の動きに逆らえないんですね。デジタルのライカなんて想像もできなかったことなのです。世の中変わるもんです。ボクの嗜好が多分に入っているかもしれませんが、ライカは1954年のM3発売をピークにM6くらいから年月を経る度に悪くなっています。M3のような手工芸品的なカメラはもうつくれないんでしょうね。
 もし、絶対に故障による失敗が許されない状況下で撮影するカメラを一台だけ選べといわれたら、ボクは迷うことなく我が日本のニコンFを指名します。こんなに堅牢なカメラは他に知りません。まさに酷使に耐えるいいカメラです。まだまだ現役で働いてもらいます。
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2011.2.3
 
by y-lu | 2011-02-02 13:41 | カメラ全般 | Comments(0)