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前田義昭という名の写真人の独白

カテゴリ:カメラ全般( 13 )

目からウロコのレチナ1型 —スミオのひとりごと307 No.407—

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 久しぶりのカメラいや写真機ネタである。
 実はこのレチナ1型をほとんど知らなかった。というよりも興味がなかったといった方があたっている。スプリングカメラはボクの興味の埒外だった。
 じゃ、なぜ登場とあいなったかということなんだけどね。それを披瀝するのはちょっと恥ずかしい。ガラにもなく歌の作詞をしてしまった。曲はまだついていない。詳しいことはここでは書かないが、その詞に蛇腹の写真機が登場するんだ。それでそのイメージのカメラを設定した。年代や曲想にぴったりの写真機がこのレチナ1型だったんだ。それで早速一台手に入れることとあいなった。
 写真で判るがとにかく小さい。35ミリフィルムを使うにしても小さい。ほとんどハーフカメラくらいの大きさだ。最初目にした時は驚いた。無知だったのが恥ずかしい。小さいと同時に蛇腹カメラ独特の精密感の虜になった。蓋を開けるとカチッと音がなりレンズが現れるときの感覚が素晴らしい。
 レチナとの出会いも作詞をしなかったらなかっただろう。ものごとはどういう巡り合わせで知ることになるのかわからないとつくづく思った。
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2019.8.11














 

by y-lu | 2019-08-11 06:45 | カメラ全般 | Comments(0)

不便を愉しむ —スミオのひとりごと197 No.297— 

 世の人は便利にとびつくがボクは不便にとびつく。
 そんな言い方をすると天の邪鬼とのレッテルを貼られるだろう。だがそれもあながちわるくもない。便利便利へ草木もなびく時代だからこそあえて不便さに目を向けたい。そこにものごとを愉しむ奥義がひそんでいると思うのだ。「なんや小難しいこというなぁ、このおっさん」。悪口をたたいてページを閉じるのをちょっと待ってほしい。
 ひとつのレンズを例に話をしたい。それはミノルタ・ロッコールQE35㍉F4。「えっ、F4。また暗いレンズやんか」ときょうびのカメラ小僧たちはバカにするだろう。たしかにこのレンズは1960年頃の旧製品で、カメラ小僧たちがかげもかたちもなかった頃のものだ。おまけにプリセットといって絞りを手動でやるものだ。オートで撮ることしか知らないカメラ小僧にとって酔狂もいいとこかもしれない。一眼レフだから開放でピントをきめてから絞りを当初の位置にもどす必要がある。それを忘れると露出オーバーのネガになる。面倒でリスクが多いと思うかもしれないが、その張りつめた意識でいられるのがいいのだ。機械まかせのオートでやればなんでもないのにと思うだろう。そのあたりは最初からデジタルから入った人には解りにくいことかもしれぬが。
 すべてこうあるべきとは言わないが、ものごとには不便さ(原初的)のプロセスを経て本来の面白味を感じることがある。その通過儀礼があってこそものの本質がわかるのだ。カメラの場合マニュアル機の操作をこなせて露出がどんぴしゃに上がった時のよろこびは無上だ。それを経過してオートにいくのはまだいい。いきなり押せば写るオートだと同じ出来上がった写真でも感興の度合いがちがうと思うのだがどうだろう。
 以前、海外に行ったときその種のカメラを持って行き後悔したことがある。車窓から撮ろうとしたとき即応性がないのだ。むしろマニュアルの方が適応する。露出と距離をセットしておきシャッターを押すだけの状態にしておけばこのほうがスムーズだ。そんな例もありオートは万能ではない。また電池がなければ動かないのは、道具として決定的な欠点だと思う。
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 奥に引っ込んだ小さい玉がいい様子でしょ。SR-1とのバランスもいうことなし。ライカを思わせるボディの曲線がいい。そんなわけで最近急にミノルタづいている。食わず嫌いだった。何十年後かに初めて評価するというのもこれまた機械カメラの面白さだと思う。デジタルではこんなことはあり得ないだろう。やはり金属の手動カメラだからこそだ。ボタンを押せば写るカメラはボクの脳にシゲキをあたえない。              (今回からタイトルの入れ方を変えました)

2015.4.17
by y-lu | 2015-04-17 18:08 | カメラ全般 | Comments(0)

スミオのひとりごと195 No.295〈絶妙のボディラインのミノルタSR-1〉

絶妙のボディラインのミノルタSR-1 

 たまには世情の憂さからはなれて気分良く書けるカメラについて述べてみたい。
 ミノルタの一眼はいままでボクの視野の圏外にあった。ニコンみたいに性能にうらうちされた神話的ブランド力を感じなかったからだ。だから触ろうともしなかった。しかし今ではSRさんスンマヘンの一言だ。初代ミノルタSR-1のデザインはいい。今更になって評価したい。わざわざ初代とつけたのは、以後のSR-1は外付け露出計を付けるための台座が不格好に張り出しているためデザインが台無しになってしまったからだ。本来これを取り上げるのはSR-2でなければならない。なぜならSR-1はSR-2から1000分の1秒が省かれた低価格の普及版だからだ。しかし無用の長物の1000分の1秒のないSR-1の方がボクにとってはむしろよい。いままで撮影時、1000分の1秒でシャッターを切ったことが一度もない。500分の1秒だってほんの数えるくらいしかない。だからない方がいいのだ。逆にいえばその時代は1000分の1秒というものにそれだけの付加価値をもたせたのだ。ついでに書くともうひとつの無用の長物はセルフタイマーのレバーだ。ホールディングの際邪魔になってしかたがない。キヤノンのFTbの前期のレバーは突起が大きくてとくにもちにくい。
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 さてこのSR-1だが、曲線と直線が実に見事に融合していると思うのだ。ミノルタといえばSRT-101に代表される角張っているイメージがある。このSR-1は軍艦部での段のつけかたを絶妙にデザインしている。前から見るとサイドの段が実にいい感じを出して全体を小さくみせる役目をはたしているのだ。それが非常にスマートなラインとなっている。後ろから見た流線型も美しい。これのブラックもいいと思う。ただ今の時代ブラック信仰はしないほうがいい。昔はほとんどクロームだったのでブラックはひときわ目立った。しかし、いまは黒が主流でかえって白のほうが差別化できる存在になっているのではないか。そうはいってもこの頃の金属ボディの塗りブラックはとても味があってほしくなるのは理解できる。ミノルタのブラックはとくにきれいだ。
 このシンプルな構造の頃の一眼レフはミノルタに限らず故障した個体が少ない。ペンタックスはけっこう多いが。だからオークションで手に入れてもそう不安はない。難点はレバーの巻上げが固いことと、シャッター音が大きいことだ。これを持った後、ニコンFのレバーを巻くとフィルムが入っているのかと思うくらいだ。しかし、これに目をつむっても余りあるのがSR-1の初代だ。
 レンズはミノルタのパンケーキタイプのロッコール45ミリF2.8。なかなか手に入らないレンズで他社のものより抜きん出て超薄型だ。バッグに出し入れの際はとくに重宝する。

2015.3.13
by y-lu | 2015-03-13 14:58 | カメラ全般 | Comments(0)

スミオのひとりごと.144 No.204    

付録の方に感心してしまった

 カメラ関係のネットオークションで、色んなものをまとめて出品されている場合があります。そんなのを落札して品物が届くと「おっ」と驚くことがあります。これもそのひとつ。
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 ミノルタのフードです。何を目当てに落札したのか忘れてしまったのですが、その他大勢にこのフードが入っていたのです。手にした時、あまりの造りの良さに感心してしまいました。美しく輝く銀色がその存在感を放っています。内側は普通は塗装ですが黒布地が貼付けてあります。当時の日本製品の技術の高さをこれひとつからでも感じ取ることができるのです。本来フードはアクセサリーで、あくまでもレンズあってのものですが、このフードはその分際で主役を凌駕する力をもっています。横綱の土俵入りでとても様子のいい太刀持ちがいて主役を食ってしまったようなものです。
 こんなフードを持ってしまったら、これに付けるレンズが欲しくなります。ものの順序が逆転していますが。最初はLマウントのスーパーロッコール50ミリ/F2.8用かと思ったのですが、口径が合わず違っていました。そのうち判るでしょうけど、それまであれやこれやと思案する時間を愉しみたいと思います。そんな景色もカメラ道楽のうちのひとつです。

2014.7.21

追記
 いろいろ調べるとこのフードは、スーパーロッコール45ミリ/F2.8用みたいです。俗に梅鉢といわれているレンズです。ヘリコイド・リングが梅の花のカタチに似ているから。45ミリの焦点距離は魅力なのですが、まさにそのデザインを嫌って欲しいと思ったことはなかったのです。かくなるうえは持っている50ミリ/F2.8に付くステップダウン・リングを見つけてなんとかしてみたいです。

2014.7.24












 
by y-lu | 2014-07-21 14:32 | カメラ全般 | Comments(0)

スミオのひとりごと.133 No.193    

ミノルタの曲者カメラ
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 機種名をつぶしていますが、知る人ならすぐ判るミノルタのハイマチックEです。
 このカメラ、つとにレンズが良いとの評判です。撮影したネガをまだ伸ばしていませんので、そのあたりはまだ実感としてはありません。カメラ自体は大きすぎず小さすぎず程よい感じです。初代からのハイマチックはちょっと大きすぎました。後継機のFはもう少し小さくて金属感がなく軽すぎてもの足りません。
 さてこのEですがマニュアル操作はできず露出はカメラまかせです。それを嘆く人もいますが、サブ機と割り切ればそれはそれでいいと思います。同様のクラスでマニュアル機能を備えている機種もありますがべつに欲張らなくてもいいと思います。
 オリンパス35-SPのところでも述べましたが、焦点距離の40ミリが魅力です。ライツミノルタCLを頻繁に使っていた時は、Mマウントの同じ焦点距離のレンズが新鮮で貴重でした。このクラスは50ミリか35ミリといったところがほとんどですから。真偽のほどは知りませんが、ハイマチックEの40ミリレンズをそれに転用しているんじゃないかと、まことしやかに書いている人もいるようです。
 曲者カメラといったのはそこにあります。シャッターのレリーズ感がいやだという人も多いようですが、レンズに関しては評価が高いのです。取り外してLマウント用に改造する人もいるとのことです。
 で、この40ミリレンズで作品をつくってみようと考えたわけです。そのうちゆっくりためしてみたいと考えています。

2014.1.11
by y-lu | 2014-01-11 07:54 | カメラ全般 | Comments(0)

スミオのひとりごと.128 No.188    

中級機の最高峰、オリンパス35-SP

 パン・メーカーのCMでなかなか面白いのがあったので、紹介しようと思ってたらオン・エアされなくなってしまったので、写真を撮れずになったままになった。
 ライ麦の入った食パンのCMで、パン屋の窓から覗いているちょっとおばはんぽい女の子の表情がいい。店主に見つかると「ヤバ」なんて言って去って行くシーンなんかは、作り手の力量を感じる。
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 そんなわけで紹介しそこねたかわりに一転してオリンパス35-SPだが、CMとは関係ない。
 以前はまったく興味をもたなかったこのクラスのカメラだが、ハーフに凝りだしてからはこのあたりにも及んでしまった。このクラスはレンズ固定が多いが、内容的には高級機と遜色ないものがけっこうある。ミノルタハイマチックEやこれなどが代表的かもしれない。考えてみればレンズ交換可能機でも、撮影先で交換することはなくほとんど付けっぱなしだ。だったら同じじゃないかと思ってしまう。
 レンズの質感はとてもいい。作品づくりに問題なく使えると思う。このオリンパス35-SPは、オート撮影(プログラムAE)とマニアル撮影(EV表示)が使い分けできるのが第一の長所だろう。瞬間的にシャッターを切る状況の時はオートは便利だ。距離だけ合わせればいい。距離合わせまでオートでやろうとすると、リコーのGR1のようにカメラの反応が遅く、かえって手間がかかり役に立たないことになる。その点ではこちらの方が優位性がある。
 またこのクラスは焦点距離が40ミリ前後が多いが、高級機にはこのあたりの交換レンズが少ないので、その点でも重宝するのだ。ミノルタハイマチックが40ミリで、SPが42ミリとこの焦点距離は魅力的で使い途が広がる。二つとも明るさはF1.7だから、ボクの持っているMライカに使っているロッコール40ミリF2より明るい。おまけにスポット露光の機能もついている。これにパララックスがあればさらに良いのだが、欲は言うまい。

2013.10.19








 

 
by y-lu | 2013-10-19 09:23 | カメラ全般 | Comments(0)

スミオのひとりごと.124 No.184    

キヤノンⅥT
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 この前キヤノンⅥLを紹介し、この機の性能の良さを披瀝しました。
 その兄弟機ともいえるのがキヤノンⅥTです。Tというのはトリガーという意味で、つまりはピストルの引き金と同義です。ⅥLのレバーにかわってトリガーになったわけです。それだけではなくノブでも巻き上げが可能です。巻上げ方式以外はⅥLと同じで一卵性双生児みたいなものです。ですから性能の良さはすでに述べたとおりです。
 ただこの個体は、連動ピンのあるアクセサリー・シューが通常の汎用シューに改造されています。せっかくのアドバンテージを取り去っているのは残念です。それなのにどうしてと思われるでしょうが、この改造を知らないで手に入れた経緯があるからです。オークションなのですが、写真にこの部分が写っていない上説明も一切ありませんでした。こちらとしてはそんな状態になっているとは露しらず落札しました。どうも確信犯のようです。こういう人がいるのでオークションは気をつけなければなりません。それを説明すると入札の際,不利になると思って避けたのだろうと思います。
 そんなわけで、わがキヤノンⅥTには最大の売りの一つが欠損しています。そのためビューファインダーは、ピンには連動しないもののなかでライカ製のものをつけています。これが意外と似合います。ボディが角張ったデザインなので本家のカメラより合っているかもしれません。
 レバーとトリガーの比較ですが、これには一長一短があります。通常ではレバーのほうが使い易いですが、ファインダーに接眼したまま巻き上げる時はトリガーが便利です。トリガーの巻上げ感やそのスタイルが好きな人は、たまらないかもしれません。そして、何より目立ちたがり屋はこちらを選ぶのではないでしょうか。

2013.9.2







 
by y-lu | 2013-09-02 18:39 | カメラ全般 | Comments(0)

スミオのひとりごと.121 No.181    

キヤノンⅥL、キヤノン28㎜F2.8
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 このカメラ、キヤノンⅥLは私見ですが日本のレンジファインダー・カメラの最高峰と評価しています。
 ひとはニコンSPが一番だといいます。ボクはニコンのレンジファインダーはS2しか使ったことがありません。フラッグシップ機のSPやS3、S4を使わずしていささか僭越かもしれませんが、それでもⅥLが日本で一番だと思っています。
 デザイン面でいえば、たしかにニコンの方に軍配が上がるのを否定しません。コンタックスのデザインを踏襲していますが、むしろこちらの方が垢抜けて元祖よりも洗練されています。ただSPから、頭文字のNに特徴がある個性的な書体が消えてしまったのは、はなはだ残念です。S2と同じ書体がつかわれていたら、さらにデザインが映えていたことでしょう。
 ボクがⅥLを評価するのはその機能にあります。レンジファインダーの生命ともいえるファインダーの二重像が、非常にくっきりと合わせやすいのです。このくっきり感はライカM3と遜色がないくらいです。また、三種の変倍ファインダーを備えていることが素晴らしいのです。パララックスのある50㎜と100㎜のフレーム、全視野が35㎜の実像ファインダー、さらに望遠レンズ時や精度の高いピント合わせに威力を発揮するマグニファイアー。これらがプリズムの回転で簡単に切り替えられます。(切り替えるギアが携帯時に動く場合があるのが難点) 
 さらにライカでさえもちえない特長があります。外付けファインダーを装着した際、アクセサリー・シューに付く連動ピンでビュー・ファインダーのパララックスが自動的に補正されることです。これはキヤノンだけの機能でいちいち合わせる煩わしさから開放されます。
 逆にニコンで不満なのは、S2、S3などの視野フレームにパララックス機能がありません。コニカC35などの大衆機でさえ付いているのに、高級機のニコンについていないなんて今更ながら考えられないことです。
 更にはキヤノンはライカLマウントを採用しているので、交換レンズが非常に多様であることです。自社のキヤノンレンズはもとより、ライツのレンズをはじめ国内外の豊富なLマウントレンズが使えます。勿論Lマウントを採用している他社のボディもこれは同様ですが。その点、ニコンのSマウントは、自社のSマウントレンズに本家コンタックスのレンズ、ソ連のコンタックスコピー・レンズ、あるいは後発のコシナ社のレンズと限られています。それも他社のものは実質的に使えるのは被写界深度の深い広角のみです。
 キヤノンにも弱点はあります。金属のシャッター幕にしわがつきやすいことと、フレームが虫食い状態になる腐食がおこりやすいことです。そして最大の欠陥は次から次へとモデルチェンジが多すぎたことです。キヤノンも4sbなどのバルナック・タイプからⅥL、ⅥT(巻上げがレバーからトリガーに変更)、Pを出していたらもっと人気が出ていたはずです。また、“ニコンはプロでキヤノンはアマチュア”と色分けされたこともキヤノンにとっては不幸でした。
 しかし、ボクは以上の理由でキヤノンⅥL(ⅥT)を最上の国産レンジファインダー・カメラと評価しています。これを読んで、いややはりニコンだという人も多いと思います。ネットなどを見ていますと、新品同様の黒塗りニコンを誇らし気に掲げている人もいます。しかし、あまり日常的に使用しているようには見えないのです。それはそれで一向に構わないのですが、あくまでもボクの評価は写真機、写真を撮る道具としての機能という一点においてです。とはいってもⅥLはデザインも完成されていて、機能とルックスを兼ね備えた逸品だといえます。

 写真のレンズはキヤノンLマウント28㎜F2.8です。とてもコンパクトでいいレンズです。このレンズの純正フードはもともとないようでしたので、50㎜のものをけずって自作しました。ボクが一番評価する国産の35㎜レンズは、キヤノン35㎜F2です。一般的にはあまり人気はありませんが、もう三十年以上愛用していて、そのシャープな解像力はとても信頼しています。

2013.8.9









 
by y-lu | 2013-08-09 15:00 | カメラ全般 | Comments(0)

スミオのひとりごと.120 No.180    

ローライコード
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 昔はローライのカメラなんてとても手が出るものではありませんでした。
 ローライフレックスの廉価版であるローライコードであってもです。同じようにライカもそうでした。しかし、世のデジタル化の恩恵を受けてフィルム・カメラがことごとく安値になり手に入れ易くなりました。ローライやライカも例外ではありません。
 このローライコード(Rolleicord IV)も完全なコンディションではなかったものの、ネットオークションで一万円でおつりがくる値段でした。日本の優秀な二眼レフであるミノルタオートコードは持っていましたがスローシャッターが不調になり、とりあえずもう一台二眼レフを確保しておきたいと思っていました。
 相当ボロボロの個体ではありましたが一か八か落札しました。送られてきた時は、果たしてつかえるかと不安でした。しかし、シャッターは全速切れました。レンズをはじめ各部の清掃をほどこして何とか使えるようになっています。
 ミノルタオートコードよりもひと回り小さく機動性があって使いやすいカメラです。ファインダーが少々暗いので見ずらく、その点ではミノルタの方が明るいです。二眼レフはファインダーの像がきれいなので、これを見ているだけでも楽しめます。そんな時子供の頃、実際には写らないオモチャのカメラで、磨りガラスに映る映像を見て楽しんだことを想いだすのです。
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2013.8.7
by y-lu | 2013-08-07 16:08 | カメラ全般 | Comments(0)

スミオのひとりごと.98 No.158    

懐かしいアサヒペンタックスSV
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 昭和三十年代後半の頃で、今から五十年近く前の話です。
 当時は生まれ故郷の大阪で暮らしていました。デザインの見習修行をしていた頃ですが、縁あって横尾忠則氏の実兄のN氏が主宰していたデザイン事務所にいました。その事務所が入居していたビルは北区の老松町というところにありましたが、今はその町名はないようです。
 N氏は写真とデザインの二足の草鞋をはくとても器用な人でした。もう八十近くになると思いますが、今でもご健在です。顧みると、とても愉しい会社で色々と面白いことを経験させてもらいました。今写真をやっているのは、N氏の影響によるものです。でなければ写真との接点はなかったと思います。
 広告の制作に携わっていましたが当時はパソコンなどもちろんありませんし、今のように分業化もされていません。毎日机に向かって写植を鋏で切り、台紙にセメダインで貼り付けていました。当然コピーライターなどいなくて、自分で書く訓練をさせられました。だいたい小さなプロダクションにコピーライターなんているわけがありません。まあ、そんなおおらかな時代でもありました。東京と違って大阪でしたからね。
 N氏も器用な人で、写真、イラストレーション、デザイン、コピーとなんでもござれでした。その上、説得力のある弁舌も兼ね備えていました。その影響下にあったので、見よう見まねでコビーを書く技術を身につけました。イラストレーションや写真もそうです。事務所に暗室がありましたのでカメラマンに紙焼きの手伝いをさせられ、それもついでに憶えました。そういえばその時代は、撮影の時モデル自身がメークアップをしていました。スタイリストやメイクアーチストなんて存在は影も形もありません。
 仕事が一段落した時などは、N氏の号令でスタッフみんなでよく京都へ繰りだしました。喫茶店に入ってはみんなで長時間だべっていました。(N氏は酒が飲めない) 当然、写真を撮りに行くことも兼ねていましたのでカメラが必要だと言われボクも月賦でアサヒペンタックスSVを買いました。初めて買ったカメラです。その当時はどれがいいのかも判らず、N氏の薦めでこれを手にしたのです。
 実はその前にカメラをもらうチャンスがありました。ボクがカメラを持っていないので、N氏が自分のミノルタオートコードをあげるといわれたのです。しかし当時、二眼レフは古くさい感じがしたのと6×6ではなく35㍉が欲しかったので辞退したのです。今だったらすんなりといただくのですが。現に一台所有しています。これで撮ったニューヨークを『ニューヨーク模様』として雑誌に連載し、その後ブログで継続して続けました。現在は休止しています。これもとてもいいカメラだったのです。
 東京へ出てカメラを知りだすと、最高峰のニコンFが欲しくなってきました。すでにSVは手元になく、代わりにSPを持っていましたが、何としてもあこがれのニコンFが欲しくなります。中古のFを手に入れるといつしかペンタックスは忘却の彼方へと去って行きました。ニコンFはもちろん一番頼りになるカメラです。それはいつか書いたと思います。しかし、思いがけなく最近再びSVを手に入れると懐かしさが込み上げてきました。今これを手にして、なかなか捨てがたい味があると再評価しています。
 スタイリングを今一度見直すと角の三角形が絶妙の角度で切られていて、この角度がカメラをとても小さくスマートにみせています。同時代のミノルタSRT101と較べると、ほぼ同じ幅ですが角張っているのでとてもデカくみえます。そして、巻上げレバーのカタチが秀逸です。ボディとの統一感がたいへん良くとれているのです。以前、キヤノン7Sというカメラを気に入っていましたが、巻上げレバーだけがダサくてこれには目をつむって使っていました。その点、SVはとてもバランスがとれています。再び手にして改めて感じました。SP型からボディのデザインが変更され、レンズ取り付け部が曲線になりました。SVまでの、ペンタ部から直線のエプロンが特徴的で、それがデザインの良さに結びついていたのですね。
 そんなわけで懐かしいペンタックスを取り上げました。みんなで京都へ撮りに行った当時の作品が出てきたのでお見せします。祇園で舞妓さんが通りかかったときの一瞬です
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 写真の裏にデータが書いてありました。アサヒペンタックスSV・タクマー55㍉F1.8、ネオパンSS、絞りF8の60分の1秒。この写真も懐かしいです。舞妓さん、お元気なら六十代でしょうね。一瞬のことだったのでバックの格子にピントがきていますが、結果として人物のぼけが効果的かもしれません。

2013.2.28
by y-lu | 2013-02-28 00:20 | カメラ全般 | Comments(0)