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前田義昭という名の写真人の独白

カテゴリ:スミオとポポタン( 3 )

スミオのひとりごと.49 No.109

スミオとポポタンのストーブ談義 2

 スミオとポポタンがストーブにあたっています。後ろからそっと近づいてみると、誰もいないと思って二人は話に熱中しています。
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スミオ 「お水取りも終わったっていうのにまだ真冬の寒さだ」
ポポタン「なにお水取りって」
スミオ 「ばかだな。おまえ知らないのか。東大寺二月堂の行事の修二会のことなんだけど、一般にはお水取     りでとおっているんだ。3月12日がクライマックスで欄干の下に集まった群衆にかご松明の火の粉     を浴びせかけるんだよ」
ポポタン「ヒェー、そんなの浴びせかけられたら火傷するじゃないのよ」
スミオ 「びっくりしたのか。火傷どころかみんな競って浴びようとするんだ」
ポポタン「猫のあたいにはわかんない」
スミオ 「1200年以上続いている歴史的行事なんだ」
ポポタン「ヒェー、こんな変なことが」
スミオ 「またびっくりしたな。話を先に戻すけど、これが終わると暖かくなっていくっていうんだけど一向     にその気配がないよ」
ポポタン「今年の冬は特に寒いらしいけど、あたいたちにはこのストーブがあるから安心ね」
スミオ 「外にいる仲間は寒いだろうな。おいらたちは恵まれてると思わなきゃ。これだってただじゃないん     だぞ」
ポポタン「それでいつも半分しかついてないのね」
スミオ 「半分だってつけっぱなしだから大変なんだ。おばちゃんがガス代が高いって言ってたよ」
ポポタン「その分、おまんまが少なくなるってことはないよね」
スミオ 「ははは、おまえは心配性だな。ところでおっちゃん胃の調子が悪そうだな。逆流性の胃炎って食道     に胃液がさかのぼってくるんだ」
ポポタン「ヒェー、キモチ悪りー」
スミオ 「今年は写真展をやるらしいから体調をととのえておかないとね」
ポポタン「どんな写真?」
スミオ 「ドイツとかで撮ったやつらしいよ」
ポポタン「おっちゃん、いつドイツへ行ったの」
スミオ 「おまえの来る前だ。そういうおいらだって前田家にまだ来てなかったよ」
ポポタン「その頃、商店街をうろついてたんだって。おっちゃんが言ってたのを聞き耳をたててたんだ。もう     少しで保健所に連絡されそうだったらしいわね」
スミオ 「言わないでくれ。涙がちょちょ切れそうになるよ。おいら危なかったんだ。話を戻そう、おっちゃ     んの写真の話に」
ポポタン「個展やったって売れないんでしょ」
スミオ 「それを言っちゃおしまいよ。まあ実際そうだけどね。写真は売れないんだよ」
ポポタン「売れる写真撮ればいいじゃない」
スミオ 「そりゃポポタンの言うとおりかもしれないけど、これがなかなか一筋縄でいかないんだ」
ポポタン「まるでおっちゃんみたいな受け答えね。暗中模索の時間が長過ぎない」
スミオ 「そこなんだ。それが分かってりゃ苦労はないやね」
ポポタン「おっちゃん、半ちゃんで一旗あげようと思ってんのかしら」
スミオ 「そこなんだ。おっちゃんの心中は知る由もないからね。力を入れているのには違いないけどね」
ポポタン「ストーブが暖かくてあたい眠くなっちゃつた」
スミオ 「おいらもだ。おっちゃんの写真より眠気には勝てないよ」

2012.3.15




                         ☞ ジャズ小説「夏原悟朗の日々」もご覧ください。


by y-lu | 2012-03-15 10:05 | スミオとポポタン | Comments(0)

スミオのひとりごと.39 No.100

スミオとポポタンの日向ぼっこ談義 2

 スミオとポポタンが窓際で日向ぼっこをしながら話をしています。どうやらこの家の主人が出した写真帖「半ちゃんカメラが行く」が話題になっているようです。

スミオ 「おっちゃんまた出かけたみたいだよ。半ちゃんカメラ持って」
ポポタン「なに半ちゃんカメラって」
スミオ 「ばかだな。おまえ知らないのか。半ちゃんカメラってのはハーフ・カメラのことなんだぞ。おっ
     ちゃんが名付けたんだ。ふつうのカメラの倍で72枚撮れるんだ」
ポポタン「ヒェー、そんなに撮れたらいつ終わるの」
スミオ 「おまえはすぐ驚くんだな。びっくりしたような顔をして。だから今日も次の作品集をつくるために
     おっちゃんは出かけたんだ。おっちゃんずっと外の猫の世話をしてただろ。その中におまえもいた
     んだ。そのためになかなか撮影ができなかったらしいよ。おまけにとんでもないアホなやつらに
     拘って時間を大分無駄にしたんだ。その分を取り戻そうとしてるんだ。だから顔と腕だけが随分焼
     けてるだろ」
ポポタン「あたいはてっきり土方のアルバイトにでも行ってると思ってた」
スミオ 「たしかに見た目は土方焼けに違いないけどね。こんなことおっちゃんに言うなよ」
ポポタン「言わないけど、でもどうして半ちゃんばかり買いこんでんの。72枚も撮れるのに」
スミオ 「それは何時故障するか判らないから予備のためなんだ。それと半ちゃんがたんに好きなんだろう
     ね、おいらのみたところ」
ポポタン「なんだか訳判んないわね。昨夜おしっこの帰りにおっちゃんの枕元を通った時、寝言を言ってた
     よ」
スミオ 「なんて」
ポポタン「おれは遅れてきた新人だとか、むにゃむにゃ言ってた」
スミオ 「寝言でまで言ってたか。そうなんだ。おっちゃんは半ちゃんの仕事に賭けてるんだ」
ポポタン「笑っちゃうね新人だなんて。あの歳で」
スミオ 「そんなことおっちゃんに言うなよ」
     (スミオあわててポポタンの口を塞ごうとする)
    「おまえは口がでかいから、おいらの大きな手でも収まりきらないよ、まったく」
ポポタン「ヒェー」
スミオ 「そんなことはどうでもいいけど、おっちゃんは写真をやるまで回り道をしてきたからね。だからそ
     の気持ちが強いんだ。それまでの広告の仕事が向かなかったんだ。だからもっと早く見切りをつけ
     ていたらという忸怩たるものがあるんだ」
ポポタン「猫のくせに難しい言葉を使うじゃない」
スミオ 「おいらはおっちゃんの気持ちが手に取るように分かるんだ」
ポポタン「伊達や酔狂でおっちゃんと8年もつきあっていないって」
スミオ 「おまえもなかなか言うじゃないか」
ポポタン「そりゃ、あたいだっておっちゃんとはもう3年のつきあいだからね。野良時代を入れるとその倍く
     らいかな」
スミオ 「月日の経つのは早いよ。おまえもあっという間にばばあ猫だ」
ポポタン「ヒェー」
スミオ 「そう言われたら、さすがにあたり前田の…とはいかないだろ。それはそうと暖かくて眠たいよ、も
     う寝よ」
ポポタン「あたいも」
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2011.10.15


                         ☞ ジャズ小説「夏原悟朗の日々」もご覧ください。












     

 
by y-lu | 2011-10-15 12:53 | スミオとポポタン | Comments(0)

スミオのひとりごと.26 No.87

スミオとポポタンのストーブ談義 1

 ポポタン登場。
 コトジが死んでから暫くの間はスミオだけでしたが、今では家に三毛猫が加わっています。三毛猫というからにはもちろんメスです。この猫については家内と呼び方が違っていて、ボクはポポタンと呼んでいます。この猫はとても猫背で無口です。最初は唖かと思っていたほどです。ある時、小さな声で鳴いたのでそうではないことが判りました。
 以前、スミオとコトジの会話形式で世相を論じていたことがあります。そのサイトは、メールのIDを削除した影響でブログに入力できなくなってしまい今ではありません。また、その頃アホな裁判にもまきこまれていたりして休止していました。
 先程も言いましたがポポタンは非常に無口です。スミオは喋りすぎる猫です。そのへんがちょっと難しいところではあるのですが、なんとかやってみようと思います。

 今日もスミオとポポタンは、テレビの前でガス・ストーブにあたって、時々小競り合いをおこしながらも、なにか喋っています。

スミオ 「毎日毎日エビゾウとオザワばっかしだな」
ポポタン「そのエビおいしいの」
スミオ 「ばかだな。おまえはテレビをみてないのか。エビゾウが元暴走族と深夜に飲食店でもめごとを起こしたんだ」
ポポタン「ヒェー」
スミオ 「エビゾウは顔面ボコボコになったんだ。暴走族の元リーダーを介抱していたら、そこへ後から来た仲間に一方的に殴られたそうだ」
ポポタン「暴走族にはニラミがきかないの」
スミオ 「そこなんだ。暴走族はあまり歌舞伎をみないからね。エビゾウがニラミをやったら目がケイレンを起こしたと思ったんだ。ニラミで暴走時の交通安全祈願をしてやろうと思ったのにね。裏目にでたんだ。仕方がないのでエビゾウがオレは人間国宝だとのたまわったら、元リーダーはお前が人間国宝ならオレは天然記念物だ、文句あっかと言い返したんだって」
ポポタン「何だかわけがわかんないね。でも、ホント」
スミオ 「と、おっちゃんが言ってたんだ」
ポポタン「おっちゃんの言うことは信用できないよ。あたいたちが猫だと思っていい加減なこと言ってんだから。それからオザワってなんなの」
スミオ 「お前知らないのか。民主党って政党の元代表だ」
ポポタン「元リーダーとか、元が多いね」
スミオ 「しかし、今は一兵卒なんだ」
ポポタン「なに一兵卒って」
スミオ 「兵卒は兵隊の一番下の位で、その一人ってことだ」
ポポタン「元代表でしょ。どうして急にそうなんのよ」
スミオ 「そこなんだ。オザワは不動産をいっぱい買い占めている実力者だ。いわば、バッジをつけた不動産屋なんだ。子分もいっぱいいる。だからみんな力があるのを知ってるんだ。それをオザワが一番よくわきまえているから、一兵卒と自らあえて言うことで存在感を出そうとしてるんだ。でも人に言われると怒るよ。不思議だね」
ポポタン「ヒェー」
スミオ 「で、首相の菅に政倫審に出ろと直談判されたんだ。でも拒否したんだ」
ポポタン「カンにさわったのね」
スミオ 「一兵卒のお前が、代表の言うことをきけないのかと菅が言ったら、オザワがおれは一兵卒の大将だ、文句あっかとのたまわったんだ」
ポポタン「ヒェー」
スミオ 「一兵卒の大将と代表は、どっちが位が上なのか民主党で選挙をやるといいよ」
ポポタン「政治って漫才よりオモシロイね」
スミオ 「あたり前田のクラッカー」
ポポタン「スチャラカチャンチャン」

 ポポタンデビューの第一回目はいかがでしたか。

2010.12.24


                         ☞ ジャズ小説「夏原悟朗の日々」もご覧ください。


     

 
by y-lu | 2010-12-24 12:37 | スミオとポポタン | Comments(0)