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前田義昭という名の写真人の独白

相撲道と相撲屋の激突 —スミオのひとりごと287 No.387—

 相撲ファンにとって今場所は話題がもちきりだ。
 まずは、貴ノ岩に対する日馬富士の暴行事件。当初は色々な情報が錯綜し混迷していたが、ここにきておぼろげながら概要が判ってきたような感じがする。
 事件の伏線は一ヶ月前の錦糸町の店での会話にあったようだ。そこに参加していた貴ノ岩たち若手力士の会話で、貴ノ岩がこれから我々の時代になるよう頑張っていかなければならないというような趣旨の発言をしたようだ。それを同席していた白鵬側近の人が、もうあなたたちの時代ではないと貴ノ岩が発言したように報告したらしい。今回の事件はそのあたりからくすぶり始めたようだ。
 事件の舞台となった鳥取の会合は、モンゴル会ではなく鳥取城北高校関係者の集まりだったようだ。事実照ノ富士は横綱が列席しているのを見て驚いたらしい。貴乃花親方は他の部屋の力士と飲食するのを許さなかったらしいが、高校のOB会だから出席させたのだと思う。
 ここからはボクの推測だが、白鵬をはじめとする横綱たちは貴ノ岩が出席することを知り、ここはチャンスだから錦糸町での侮辱発言に対してヤキを入れてやろうと思っていたのではないだろうか。そうだとすると今回の行為は辻褄が合う。白鵬は日馬富士の暴行を止めたというが本気になって止めていないことは明白だ。でなければ何十発も殴られてあれほどの傷を負うわけがない。もう一人の横綱鶴竜と二人で止めれば最初の数発ですんだだろう。ここらへんを思うと最初から相当懲らしめてやろうという心づもりだったと想像できる。
 貴乃花は相撲の考え方の違いで肉親とも絶縁するほどに相撲道を極めようとする姿勢を貫いている。いわゆるガチンコで、唯一ガチンコでなかったのは兄若乃花の横綱がかかった一戦だと推測する。そんな実直さが八角体勢とは根本的に考え方が違うようだ。協会にまかせればなあなあで手打ちをさせられるに決まっている。だからこそ刑事事件として決着する方を選んだ。それが根底にあるから協会への聴取を頑なに拒んでいるのだろう。つまりこれは貴乃花の八角体制へのクーデターであって部屋が潰れる覚悟の上のことだろう。
 つぎになんとも理解しがたいことが白鵬嘉風戦でおこった。白鵬が勝敗のついた相撲にマッタをしたとクレームをつけたことだ。双方ちゃんと手をついた立ち合いで白鵬はいつもの張り差しにいっている。だれが見ても問題がない相撲なのに、土俵下からなかなか上がってこなかった。まさに前代未聞といっていい。審判と行司は白鵬を促さずにボーとしていた。まことに情けない限りだ。権威というものがない。相手が大横綱だろうと敢然と指図をすべきだ。またこの行為に協会は厳重注意処分をしただけだった。せめて翌日は出場停止くらいにすべきだ。
 もし貴乃花がトップならこんな処分で収まらないだろう。ここがボクのいう相撲道と相撲屋の違いだ。つまり貴乃花は、こういう厳しさのない商売優先のなあなあ主義の現体制では将来相撲がだめになると思っているのだろう。白鵬の行為に対する協会のだらしのない対応を見るにつけつくづくそう思った。
 
 白鵬の大相撲に対する真摯さが欠ける態度についてはここでも書いているのでご一読を。(白鵬は賞賛される横綱か —スミオのひとりごと275 No.375—)
 
2017.11.24










  



 
 

by y-lu | 2017-11-24 12:32 | 日常雑感 | Comments(0)