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前田義昭という名の写真人の独白

豊田議員の事件のもうひとつの観点 —スミオのひとりごと268 No.368—

 秘書を罵詈雑言で罵倒した豊田議員事件についてひとこと。
 秘書がミスったことを怒り、汚い言葉を秘書に投げつけ実際に暴行にまで及んだ状態をテレビにさらされる事態になっている。豊田という議員は、東大をはじめ海外のエリート校を出た一般的にいう才媛である。録音を聞いた限りでは秘書を人間扱いしていない。立派な学歴だからといって、その人の品性を保証するものではない。言葉づかいの悪さや暴力性は育ちやそのプロセスで関わる人間関係で醸成されるものだ。出自や高等教育を受けたこととは直接関係がないことは、この豊田の件でよくわかるだろう。
 この報道を観ていた時、ふとこう思った。よく秘書がやられるままになっていたなと。
 議員と秘書という関係はいってみれば主人と使用人 (田中眞紀子がうかぶ) との関係である。年齢的には十歳以上秘書が年上だ。商家の若旦那と番頭の関係でよくあるように、こういう上下関係では目上に対しても言葉使いが乱暴になりやすい。下のものが忍従しなければならない状況では、本人が錯覚してしまい陥穽にはまりやすい。つまり自分が偉いと勘違いしてしまうのだ。だから自分で自分の名を様づけで言う。
 豊田にとって不幸だったのは、秘書が人一倍こらえ性のある人間だったことと、ぬかりのない人間だったことだ。男としてここまでやられてぐっと我慢するのは並大抵ではない。かりにボクがその立場だったらクルマを路肩に停めて豊田をボコボコにしていたかもしれない。秘書はそれをやらなかった。そんな衝動が起こったかもしれないが、一瞬妻や子供の顔が浮かんできたのかもしれない。ここで大事なことはそれをやらなかったことだ。それをやらずにひたすら復讐の機会をねらっていた。
 もし、ボコボコにしていたらどうだろう。議員から罵倒され小突かれたと言っても、相手が女でもあるし国会での喋り口との落差を認めてもらうことは困難なことだと思う。やられたからこちらも蹴ったと弁明されてしまえば、立場的に弱い秘書が一方的に悪いことになってしまうこともありうる。結果的に秘書の方が傷害罪で逮捕される可能性の方が高いだろう。
 そうなれば、豊田は何食わぬ顔で今までどおりの活動を続け悪名が表に出る事はない。そして、少しでも自身の株を上げるために秘書には寛大な措置をとってやってくれと温情を売るかもしれない。豊田という政治家の本質が闇に埋もれたままになっていたかもしれない。

2017.6.30












by y-lu | 2017-06-30 07:33 | 日常雑感 | Comments(0)