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前田義昭という名の写真人の独白

愛国教育はカネになる —スミオのひとりごと259 No.359—

 俯瞰的にみていけば、おぼろげながらも森友問題の全体像がみえてくる。
 まず籠池という人物。なかなかのマーケッターでしたたか者だ。彼にとって教育という名のビジネスは,他の業種とは違い浮き沈みのない安定感のある金儲けであった。それを確固たるものにするには、他の学校との差別化を図らなければならない。それには月並みな教育ではだめだ。“愛国教育”という切り口で、それを世間にセンセーショナルに出すことが一番の近道だと思ったに違いない。
 籠池は右翼思想の持ち主だから、日本に役立つ人材を育むために“愛国教育”を謳うことが一番だと思った。明確なテーマを打ち出せば、それに共鳴する市民の子弟をスムーズに受け入れられるのだ。籠池のキャラクターはその教育を植え付ける役割にぴったりである。親や子供から尊敬される立場を誇れると同時に、他の業種にはない魅力ある収入追求のための方法論だったのではないかと思う。月々の授業料はもとより、その筋からの寄付や国から助成金が安定して得られる。尊敬と収入を一挙に勝ち取る事ができるのだ。
 “愛国教育”を実践する場が大阪の豊中にあることを世の中に発信しなければならないと籠池は思う。すでに述べたように彼はしたたかなマーケッターだ。なんとしても政治家を筆頭に有名人たちに賛同してもらわなければならない。的は当然右翼系の政治家やオピニオンリーダーだ。名のある政治家に接近することができれば利用価値は限りなく大きい。“愛国教育”というエサを籠池は振りまくだけ振りまいた。「どうぞ、力のある政治家が食らいついてくれますように」と。それにまんまと食いついたのが,安倍首相夫妻、稲田防衛相、鴻池議員(後に気づき関係を遮断)たちだ。
 ここまではやったと思ったに違いない。「手のひらを返したように」と籠池は喚問で証言したが、問題が発覚すると潮がひくように政治家、官僚たちは逃げて行く。首相夫人は涙をながしてまであれほど“愛国教育”を賛美してくれたのに。しかし、ここでよく考えなければならないのは、この問題が発覚していなければ未だ潜在化していたということだ。こういった例は他にいっぱいあるはずで、森友問題を肴にグラスを傾けてほくそ笑んでいるやつがいるに違いない。

2017.4.3














by y-lu | 2017-04-03 16:17 | 日常雑感 | Comments(0)