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前田義昭という名の写真人の独白

矜持と羞恥心 —スミオのひとりごと231 No.331—

 トップリーダーに欠かせない要素は矜持と羞恥心だと思う。
 これはリーダーでなくても一人の人間としても常に意識していたいものだ。このところの舛添知事の公私混同は政治資金規正法に抵触しているとかいないとかよりも、知事として人間として、この部分がまったく欠如しているということだ。みみっちいといってもいい公私混同が明らかになっている今、この問題は自分自身が判断しなければならない。それをやろうとせず第三者の判断にすり替え時間かせぎをする。相変わらずの厚顔さでなりふりかまわない延命策にすがりついているのが実態だ。せめてここに一片の羞恥心があればこんなことはとてもできないだろう。
 石原知事のように新銀行東京で失敗しても1000億の単位だと、うまくいっていれば都民のためになっていたと言い訳ができる。息子のためにやったといわれる現代芸術振興事業(TWS)においても、公私混同を微妙にしている。つまり大きいことをやれば色々な要素が混在するので追求されにくいところがある。舛添みたいに日常の小さな案件で誤摩化しようがないものは、庶民が敏感に反応する。大きいことは言い訳ができるが小さいことはそれができない。石原の方がそういう意味で巧妙だ。
 矜持と羞恥心がないのは石原、猪瀬、舛添と歴代の知事に共通していると思う。権力をたてにした時には矜持をどこかに置いてしまうこともあるかもしれないが、最後は人間としての羞恥心がそれをコントロールするはずだ。これは法律のような外的なものと違って、本源的に人にのみ内在し抑制する心のはたらきだ。それをモラルと言いかえてもいい。
 このように最終的には人間性の問題にいきつくのだ。舛添は一番大事なものを失っていることにまだ気づかず金の亡者になっている。金にすがりつき人間として尊敬されない道を選んだ。

2016.5.29













by y-lu | 2016-05-29 08:38 | 日常雑感 | Comments(0)