スミオのひとりごと.121 No.181
キヤノンⅥL、キヤノン28㎜F2.8 このカメラ、キヤノンⅥLは私見ですが日本のレンジファインダー・カメラの最高峰と評価しています。
ひとはニコンSPが一番だといいます。ボクはニコンのレンジファインダーはS2しか使ったことがありません。フラッグシップ機のSPやS3、S4を使わずしていささか僭越かもしれませんが、それでもⅥLが日本で一番だと思っています。
デザイン面でいえば、たしかにニコンの方に軍配が上がるのを否定しません。コンタックスのデザインを踏襲していますが、むしろこちらの方が垢抜けて元祖よりも洗練されています。ただSPから、頭文字のNに特徴がある個性的な書体が消えてしまったのは、はなはだ残念です。S2と同じ書体がつかわれていたら、さらにデザインが映えていたことでしょう。
ボクがⅥLを評価するのはその機能にあります。レンジファインダーの生命ともいえるファインダーの二重像が、非常にくっきりと合わせやすいのです。このくっきり感はライカM3と遜色がないくらいです。また、三種の変倍ファインダーを備えていることが素晴らしいのです。パララックスのある50㎜と100㎜のフレーム、全視野が35㎜の実像ファインダー、さらに望遠レンズ時や精度の高いピント合わせに威力を発揮するマグニファイアー。これらがプリズムの回転で簡単に切り替えられます。(切り替えるギアが携帯時に動く場合があるのが難点)
さらにライカでさえもちえない特長があります。外付けファインダーを装着した際、アクセサリー・シューに付く連動ピンでビュー・ファインダーのパララックスが自動的に補正されることです。これはキヤノンだけの機能でいちいち合わせる煩わしさから開放されます。
逆にニコンで不満なのは、S2、S3などの視野フレームにパララックス機能がありません。コニカC35などの大衆機でさえ付いているのに、高級機のニコンについていないなんて今更ながら考えられないことです。
更にはキヤノンはライカLマウントを採用しているので、交換レンズが非常に多様であることです。自社のキヤノンレンズはもとより、ライツのレンズをはじめ国内外の豊富なLマウントレンズが使えます。勿論Lマウントを採用している他社のボディもこれは同様ですが。その点、ニコンのSマウントは、自社のSマウントレンズに本家コンタックスのレンズ、ソ連のコンタックスコピー・レンズ、あるいは後発のコシナ社のレンズと限られています。それも他社のものは実質的に使えるのは被写界深度の深い広角のみです。
キヤノンにも弱点はあります。金属のシャッター幕にしわがつきやすいことと、フレームが虫食い状態になる腐食がおこりやすいことです。そして最大の欠陥は次から次へとモデルチェンジが多すぎたことです。キヤノンも4sbなどのバルナック・タイプからⅥL、ⅥT(巻上げがレバーからトリガーに変更)、Pを出していたらもっと人気が出ていたはずです。また、“ニコンはプロでキヤノンはアマチュア”と色分けされたこともキヤノンにとっては不幸でした。
しかし、ボクは以上の理由でキヤノンⅥL(ⅥT)を最上の国産レンジファインダー・カメラと評価しています。これを読んで、いややはりニコンだという人も多いと思います。ネットなどを見ていますと、新品同様の黒塗りニコンを誇らし気に掲げている人もいます。しかし、あまり日常的に使用しているようには見えないのです。それはそれで一向に構わないのですが、あくまでもボクの評価は写真機、写真を撮る道具としての機能という一点においてです。とはいってもⅥLはデザインも完成されていて、機能とルックスを兼ね備えた逸品だといえます。
写真のレンズはキヤノンLマウント28㎜F2.8です。とてもコンパクトでいいレンズです。このレンズの純正フードはもともとないようでしたので、50㎜のものをけずって自作しました。ボクが一番評価する国産の35㎜レンズは、キヤノン35㎜F2です。一般的にはあまり人気はありませんが、もう三十年以上愛用していて、そのシャープな解像力はとても信頼しています。
2013.8.9
ひとはニコンSPが一番だといいます。ボクはニコンのレンジファインダーはS2しか使ったことがありません。フラッグシップ機のSPやS3、S4を使わずしていささか僭越かもしれませんが、それでもⅥLが日本で一番だと思っています。
デザイン面でいえば、たしかにニコンの方に軍配が上がるのを否定しません。コンタックスのデザインを踏襲していますが、むしろこちらの方が垢抜けて元祖よりも洗練されています。ただSPから、頭文字のNに特徴がある個性的な書体が消えてしまったのは、はなはだ残念です。S2と同じ書体がつかわれていたら、さらにデザインが映えていたことでしょう。
ボクがⅥLを評価するのはその機能にあります。レンジファインダーの生命ともいえるファインダーの二重像が、非常にくっきりと合わせやすいのです。このくっきり感はライカM3と遜色がないくらいです。また、三種の変倍ファインダーを備えていることが素晴らしいのです。パララックスのある50㎜と100㎜のフレーム、全視野が35㎜の実像ファインダー、さらに望遠レンズ時や精度の高いピント合わせに威力を発揮するマグニファイアー。これらがプリズムの回転で簡単に切り替えられます。(切り替えるギアが携帯時に動く場合があるのが難点)
さらにライカでさえもちえない特長があります。外付けファインダーを装着した際、アクセサリー・シューに付く連動ピンでビュー・ファインダーのパララックスが自動的に補正されることです。これはキヤノンだけの機能でいちいち合わせる煩わしさから開放されます。
逆にニコンで不満なのは、S2、S3などの視野フレームにパララックス機能がありません。コニカC35などの大衆機でさえ付いているのに、高級機のニコンについていないなんて今更ながら考えられないことです。
更にはキヤノンはライカLマウントを採用しているので、交換レンズが非常に多様であることです。自社のキヤノンレンズはもとより、ライツのレンズをはじめ国内外の豊富なLマウントレンズが使えます。勿論Lマウントを採用している他社のボディもこれは同様ですが。その点、ニコンのSマウントは、自社のSマウントレンズに本家コンタックスのレンズ、ソ連のコンタックスコピー・レンズ、あるいは後発のコシナ社のレンズと限られています。それも他社のものは実質的に使えるのは被写界深度の深い広角のみです。
キヤノンにも弱点はあります。金属のシャッター幕にしわがつきやすいことと、フレームが虫食い状態になる腐食がおこりやすいことです。そして最大の欠陥は次から次へとモデルチェンジが多すぎたことです。キヤノンも4sbなどのバルナック・タイプからⅥL、ⅥT(巻上げがレバーからトリガーに変更)、Pを出していたらもっと人気が出ていたはずです。また、“ニコンはプロでキヤノンはアマチュア”と色分けされたこともキヤノンにとっては不幸でした。
しかし、ボクは以上の理由でキヤノンⅥL(ⅥT)を最上の国産レンジファインダー・カメラと評価しています。これを読んで、いややはりニコンだという人も多いと思います。ネットなどを見ていますと、新品同様の黒塗りニコンを誇らし気に掲げている人もいます。しかし、あまり日常的に使用しているようには見えないのです。それはそれで一向に構わないのですが、あくまでもボクの評価は写真機、写真を撮る道具としての機能という一点においてです。とはいってもⅥLはデザインも完成されていて、機能とルックスを兼ね備えた逸品だといえます。
写真のレンズはキヤノンLマウント28㎜F2.8です。とてもコンパクトでいいレンズです。このレンズの純正フードはもともとないようでしたので、50㎜のものをけずって自作しました。ボクが一番評価する国産の35㎜レンズは、キヤノン35㎜F2です。一般的にはあまり人気はありませんが、もう三十年以上愛用していて、そのシャープな解像力はとても信頼しています。
2013.8.9
by y-lu
| 2013-08-09 15:00
| カメラ全般
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