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前田義昭という名の写真人の独白

スミオのひとりごと.119 No.179    

投票所。もうひとつの選択

 参議院選挙が公示された。
 選挙にのぞんであなたは投票用紙に立候補者のなかからだれかを選んでその名前を書く。棄権は選挙権を放棄することだし、政治への参加を閉ざしてしまうので基本的には良くないと認識しているからだ。しかし、あなたには入れたい候補者がいない。そこがジレンマだ。
 そんな時、マスコミなどで識者と称される人は言う。ベストの人がいなければベターを選べと。そんな考えのもとに、自民党に愛想をつかした人が民主党の候補者に投票した。その結果、政権をとったもののあのていたらくだ。(ついこの間も、その時の総理の鳩山由紀夫は中国人の発言かと見紛う尖閣問題を論じた) 次はその反動だけで自民党が勝利した。サッカーのオウンゴールと同じで相手に勝たせただけだ。安倍のインフレ政策は、物価高をまねき庶民の台所を圧迫している。アベノミクスではなくアベノリスクだ。
 投票する側もいけない。そんな言葉にのせられて、これはと思う候補者がいなくてもまあいいかと思って誰かに投票する。この悪循環だ。
 自分の選挙区に投票したい人がいないなら誰の名前も書かなくていい。 これも立派な投票行為だ。入れたい人がいないから棄権するのではなく、投票用紙にその意思を示すべきだ。
 日本人というのは律儀だ。ある時、誰かと選挙の賄賂について話したことがある。たしかその人は賄賂をもらったら入れてしまうと言った。だからもらうなということだろう。すかさずボクは言った。もらって投票しなければよいと。これは多分に逆説的になると思うが、賄賂が無駄だと自覚させる最上の方法だ。
 少しより道したが、積極的な一票も消極的な一票も一票は一票だ。その一票でつまらない人を選んでしまう。だれを選ぶかではなく誰も選ばない選択もある。それは棄権ではなく無効票を投じることだ。
 折しも、エジプトでは大規模なデモにより選挙で選ばれた大統領が失脚した。日本ではそんなデモは起こらないだろう。エネルギッシュであった60年安保のような。だからこそ日本では投票により政権への示威行動をするべきなのだ。今の国会のあり方、政権でいいというなら何おかいわんやであるが。
 誰も選ばない国民の意思が集積し選挙結果が無効になったらどうだろう。国民からNOをつきつけられて、そこではじめて政治家たちにとてつもない衝撃を与えることができる。国民の怒りがダイレクトに伝わり、一票の格差問題、議員定数削減など、今国会でやらなかった政治家自身に関わる諸懸案を、本気になってやろうという機運がでてくるのだ。
 今度の参議院選挙では投票用紙に誰の名前も書かない。共鳴する人は多いはずだ。

2013.7.5
by y-lu | 2013-07-05 11:39 | 日常雑感 | Comments(0)