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前田義昭という名の写真人の独白

スミオのひとりごと.99 No.159    

ものは考えよう

 オリンパスペン-Sが不調になった。
 以前、某中古カメラ店のジャンク箱から拾い上げてきたものだ。シャッターボタンが埋没していて操作不能の状態だった。その割には数千円と高かった。
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 値付けに根拠があるのはもちろん理解できた。この個体は後に塗装したいわゆる後塗りというものだが、オリジナルだととてもレアで今までお目にかかったことがない。限られた数を報道などのプロユースに提供されたらしい。ワイドレンズを組み込んだオリンパスペン-Wも黒塗装で貴重だが、これはもっと少ないらしい。そんなわけで、後塗りのフェイクでもちょっと気分が違う。
 その日持ち帰りさっそく軍艦部を取り外して、陥没したシャッターボタンを引き上げたら作動するようになった。何回か撮影に使ったが快調に作動した。しかし、いつの頃か一度の巻上げでシャッターがセットしなくなり、二度巻上げなければ切れなくなってしまった。それで撮影できなくはないが、一コマづつ飛び飛びになってしまってフィルムがもったいないしハーフで撮る意味がない。半ちゃん写真家として、これは困ったということになってしまった。そんなわけで使わずに置いたままになっていた。
 しかしある日、ふとひらめいた。まず一回撮影して撮りきってしまい、それをパトローネに巻き戻し、次に未撮影の部分を撮るようにすればいいと思った。それには正確なコマ運びが必要だがやってみる価値はある。何故かと言うと、今まで何回もボクの半ちゃん写真について説明してきたように、フィルム上で偶然の出逢いによる組み合わせがさらに期待できるからだ。通常の場合ならば、当然連続して撮ったコマ同士の組み合わせしかありえない。
 幸か不幸かこの状況になってしまった以上、創造性のある使い方に転化できればいうことはない。これにはコマが重ならないように格段の注意が必要だ。通常の撮影でもコマ間の開きにバラつきがあるのは周知のとおりだ。ライカのような高級機にでもある。しかし、ぜひためしてみたい。それとは別にフルサイズ・カメラをハーフに改造して同じ撮り方をやりだしてもいる。それも重なりが問題になるが、こちらの方が理屈上ではカンタンなはずだ。この顛末をそのうちお知らせしたい。
 ものは考えようだ。窮状を嘆くのみで終わりにせず、いかにして活用するか。それが問題である。

2013.3.6









 
by y-lu | 2013-03-06 15:34 | 半ちゃん(ハーフ)カメラ | Comments(0)